北志賀高原末端 法師山(1229.2m) 2016年5月6日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 5:12 林道−−7:11 法師山(休憩) 7:43−−8:41 林道

場所長野県下水内郡栄村
年月日2016年5月6日 日帰り
天候
山行種類籔山
交通手段マイカー
駐車場林道路側に駐車余地あり
登山道の有無無し
籔の有無標高1000m以下は笹+根曲がり灌木、標高1000m以上は強固な石楠花藪
危険個所の有無全体的に尾根幅が狭く急傾斜で転落注意(特に南側)
山頂の展望矮小な灌木で展望良好
GPSトラックログ
(GPX形式)
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コメント法師沢左岸尾根を往復。まさかとは思ったが強固な石楠花により想定以上に苦労して疲れた。腕、足が傷だらけ。残雪皆無だったが尾根の地形、植生からして残雪期でも石楠花区間は雪が無いと思われる。藪で楽をするなら北尾根経由の方が絶対にいいと思う


鳥甲牧場から見た法師山。破線は登ったルート


出発地点から山頂までの距離は1.01km この法面から取り付く
最初は灌木 ツツジが咲いていた
標高850m 標高910m
北側の尾根はブナ林で歩きやすそう 標高960m。灌木が濃い
標高990m。いよいよ石楠花登場 標高1050m。一時的に灌木に変わる
標高1080m。笹区間は僅かしかない 標高1080mのネズコ大木
標高1100m。石楠花と格闘中 標高1150m肩
標高1190m。北側斜面を巻いている 標高1200m。石楠花が終わって灌木+笹に変わる
標高1210m 山頂直下。照葉樹がきつい
法師山山頂。この灌木の根元に三角点がある 法師山三角点
法師山から見た360度パノラマ写真(クリックで拡大)
法師山から見た守門岳、粟ヶ岳
法師山から見た北側。ブナが続き石楠花は無いだろう 下山開始
山頂直下から見た鳥甲山方面
尾根の傾斜と藪がきつくルート判断が難しい 林道到着


 栄村で未踏の山はあと僅か。その中で一番面倒そうなのが法師山だった。面倒と言っても昨日の障子峰や鳥甲山から西に続く稜線の山などと比較すれば簡単だろうが。本当は残雪期に登る予定だったが1ヶ月前でさえフクベノ頭から見て雪は皆無だったので今は雪は皆無だろう。どうせなら林道が使える無雪期に登るのもいいだろうと考えた。ルートは林道から一番近い東尾根(法師沢左岸尾根)だ。事前にネット検索は行わなかったが帰宅してから調べても登った記録は1件もヒットしなかった。

 東尾根末端は法師沢と林道交差点のすぐ北側。近くに駐車余地があったので車を置いて出発。標高差約500m、山頂の標高は1200mちょっとなので大した藪は無いだろうと予想し、1時間半程度で山頂到着と踏んでいた。装備も軽装で小さなアタックザックに食料、水は持たずに雨具と少しの防寒具のみ持った。

 斜面は林道造成で法面化しているので小さな谷地形から取り付いた。藪はまだ薄く背の高いブナが中心で地面付近は潅木と薄い笹で大きな支障は無い。この状況が山頂まで続くと思っていたのだが・・・。周囲はブナの新緑が眩しいが、葉が成長すると虫が付くようになるのでこの高さの藪漕ぎもそろそろ終了の時期かな。

 しばらくはこの植生が続くが、高度を上げていくと尾根幅が狭まり潅木が徐々に増えてくる。例の如く背が低く根元からたくさん枝分かれした根曲がり照葉樹が厄介な存在。でも数はまだ少ない。でもこの状況なら右手の谷筋を登った方が良かったかなぁなどと考える。

 樹林が深くて尾根の先の方が見えないが、地形図で見るよりもかなりの傾斜のようだ。尾根幅の狭さは分かっていたがそのとおりだった。高度が1000mを越える辺りから予想外の石楠花の森に突入。まだ昨日の障子峰の石楠花藪漕ぎの疲労が抜けておらず、腕は筋肉痛だし足は疲れて上がらない。おまけに傾斜はきついしこの場面での石楠花は本当に疲れた。右手に見えている尾根はブナの新緑で彩られ、あちらは確実に石楠花は存在しないだろう。こちらの尾根は見上げるとヒノキの仲間のネズコの深い緑ばかりだ。

 石楠花の藪が酷いだけではなく部分的に猛烈な傾斜の場所もあり、下りのことを考えると尾根形状を把握できるか不安になる。今回は目印を付けなかったため下りはGPSに活躍してもらった。GPSが無かったら正しい尾根をトレースするのは苦労したことだろう。

 一部区間では北斜面で石楠花藪を迂回可能な場所もあったが痩せ尾根が続くのでその手が使える場所は少なかった。南斜面はずっと傾斜がきつく迂回には適さない。

 右手に見えていたブナの尾根は1150m肩で合流するが、東尾根から見た限りでは合流直下は雪崩で磨かれた急斜面で、低い潅木があるかガレているかで安全に通過できるのか不安な植生だった。あまりお勧めできないルートらしい。その1150m肩に到達してもまだ石楠花が続く。こりゃ、昨日の障子峰よりも酷い。

 標高1200mを越えるとそれまでの背の高いネズコ樹林が消えて上空が明るくなると同時にやっと石楠花から解放される。灌木が中心で笹が混じりたまに根曲がり照葉樹が邪魔をするが石楠花の連続よりは格段に楽だ。そしてやっと山頂が目に入る。どうやら山頂まで矮小な灌木の尾根が続くようだ。背の低い灌木ばかりになったので展望が良い。南側はフクベノ頭から台倉山まで今シーズン登った山が並ぶ。

 登るに従って灌木の高さがどんどん低くなっていく。花を付けたタムシバも背丈ほど。以前からタムシバとコブシの違いが分からなかったが、今回は詳細に写真撮影して下山後にネット検索で判明。花のすぐ裏側に1枚の葉っぱがあればコブシ、無ければタムシバだそうだ。標高が高い所は基本的にタムシバしか生えていないようだ。

 やっと登りが終われば法師山山頂に到着。低い灌木に覆われて基本的に展望がいい場所だが南側だけは少し背の高い木で邪魔されている。東側は展望が良く、谷川岳から越後三山、そして守門岳、粟ヶ岳までずらっと並んでいる。今日は空気の透明度はそれほど高くないので、澄んでいる日ならもしかしたら飯豊まで見えるかもしれない。

 狭いながら地面が出ている場所があるが三角点は無く、灌木の中に埋もれているようだ。一番高いのは裸地東側の根元から枝分かれした灌木で、その根元を探したら地面すれすれの高さに頭を出した三角点を発見。帰りがけに三角点近くの灌木に赤テープを残した。ネット検索で1件も登山記録がヒットしなかった山であるからこのテープを目にする人はほとんどいないであろう。

 事前予想に反して石楠花で体力を奪われたので山頂で休憩。短時間の楽々登山だと考えていたが甘かった。あの石楠花をまた通過するのが嫌で地形図を見ながら別ルートを考えてみた。まず頭に浮かんだプランは1150m肩から北東に下って1030m峰手前の1010m鞍部から東へ下る谷を歩くこと。往路で見た限りではこのルートはブナ林に覆われているので歩きやすそうなのだが、1150m肩直下の雪崩で磨かれた急斜面を安全に下れるかどうか大いに不安だ。次に考えたのが北に下って1100m鞍部から北東に延びる谷を下って途中からトラバースして1010m鞍部に至るルート。ここもぱっと見ではブナ林が続くので歩きやすそうだが、山頂から1100m鞍部までの急な区間は樹林で見えないので危険個所が無いか、石楠花が出てこないかは分からない。さんざん悩んだ末に安全優先で往路を戻ることにした。

 下りでも石楠花籔は厄介。おまけに急な下りの連続で微小な肩が登場するとたちまちルートが分からなくなる。こんな時はGPSの登場で2個所ほどお世話になった。目印を付けながら登った方が良かったなぁ。下るほど藪は薄くなり林道に飛び出して終了。


 まとめ。法師山東尾根は車でのアプローチはいいが石楠花籔が酷い。アプローチが悪くなるが、法師山北尾根西側に付けられた林道から北尾根経由で登った方がいいかもしれない。少なくとも1100m鞍部より北側はブナ林で石楠花籔は無いだろう。

 

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